スラムとは

コロゴッチョスラムの現状

ケニアの首都ナイロビは、世界的なスラム都市であり、首都人口の約4分の1、百万人以上が、非常に貧しいスラムでの生活を余儀なくされています。

仕事のない女性たちはセックスワーカーになる者も後を絶たず、HIVも蔓延、子ども達は学校にも通えず、病気になっても医者にかかれず、電気や水、そんな基幹インフラすらない状況にあります。コロゴッチョは、そんなケニアのスラム地区の1つですが、約20万人近くの人々が暮らしています。元々は、1960年代にナイロビの郊外にある貧民街として発達。(コロゴッチョとはスワヒリ語でUselessを意味します。)そこに暮す人々は、極度の貧困状況にあり無法地域として、他の地域の人々との交流も途絶え、長らく差別の対象地域となっていました。

しかし、スラムの人たちは、ただ黙って手をこまねいていたわけではありません。2006年には、ケニア初のコミュニティラジオ局Koch FMが、コロゴッチョ地域に設立。それまで、コロゴッチョスラムはメディアによって、暴力や薬物、レイプといった社会的病巣の発祥地としてイメージづけられ差別の対象となっていましたが、そのイメージの改善を目指しています。若者を中心に地域の情報や、健康、教育といった課題に積極的にアプローチを行い、国際的なNGOにより設立された生活改善プログラム(コミュニティセンターの設置等)の成功により、ケニアだけでなく、世界的なスラムのモデル地区になりました。しかし、HIVの感染率も依然として高く(10人中4人)、半数以上の子どもたちが学校に通えずにいるなど、状況の改善にいたるまでには、まだまだ長い道のりがあります。